メシウマメンタルの専門家はいらない

サブプライム危機以降、米国金融主義への批判は止まることを知りません。
終わりのないババ抜きは無いわけで、いつかはリスクが発現することを
誰もが感じながら、抜け出せないチキンゲームをやって、束の間の繁栄を
享受していたわけですから、賢い人たちが集まってやることじゃないよなと
個人的には思います。


ただ、それをもってGSやモルスタなどを初めとする投資銀行、およびウォール街
住人達に、「強欲過ぎるのはイカン!」と説教するのには、どうも違和感があります。


ルールを逸脱して、違法行為をしているなら当然話になりません。
ルール内でも、グレーなことは避けた方がいいことはコンプラとか以前の話として、
リスク管理やガバナンスの観点からも重要です。


では、彼らはルールからはずれたり、グレーなことをやって責められてるかといえば、
そういう部分を指摘している人もいるでしょうが、多くの人たちはもっとシンプルに、
「さんざん儲けやがって。くたばってザマァ、メシウマ」状態なのではないかと。


少なくとも、こうした考えには賛成出来ません。
企業としては、社会のルールの中で、利潤をあげることはレッキとした“善”であり、
それを否定してしまうと、もはや進むべきところは社会主義しかなくなっちゃう。


たくさん批判されるべき点はあると思うし、結果的に現在のような状況になったのは、
まさに経営の失敗であり、その意味では所詮は目先の利益の最大化しか考えられない、
レベルの低さを表していたと言えますが、妬みと報復が背景にある批判や否定は、
決してポジティブフィードバックしません。


まあ、一般の人たちがそう思うのは致し方ないでしょう。
ただ、冷静に客観的に現状を分析すべき学者や評論家の人たちに、
こうした“メシウマ状態”な人がすごく多いような気がして、
そういう言説に触れるたびにため息な感じです。


そういう意味では、先日再放送でちらっと見たNHKスペシャルは、
下手な専門家を使わずにフラットな解説をしてた点で興味深かったです。


NHKスペシャル シリーズ マネー資本主義:http://www.nhk.or.jp/special/onair/money.html